妊娠中のこと 13
入院した日は夜ずっと偽陣痛が続いていて、気になってよく眠れませんでした。
その夜は新月で、お産ラッシュだったようです。
翌日、昼食を食べてシャワーを浴びていると、お腹に強い張りがやってきました。
「本陣痛が来る」
そう確信した私は、身支度を整え、ゆっくりと病棟の階段へ行き、昇降を始めました。
本当にゆっくり、ゆっくり。
手摺りにつかまって、休みながら。
お腹の張りがいよいよ強くなってきてからは、ベッドに戻り、ゴーンゴーンという腰の痛みに耐えました。
陣痛の感覚が10分間になったところでナースコールを鳴らし、子宮口の開き具合を診てもらうと、
「3cmあるから、陣痛室へ向かいましょう」
とのことで、歩いて陣痛室へ向かいました。
途中で何度も陣痛がきて、痛くて立ち止まり、手摺りにもたれかかりながらゆっくり進んでいきました。